月夜散歩の重要なモチーフ、直弧紋
熊本県の井寺古墳、石室囲石
にみられる、直線と曲線による、面の分割構成には、プリミティブでは
あるけれど、そこに何か、宇宙の意図を感じます
そして奈良の新山古墳出土の銅鏡、直弧紋鏡に現れた
完璧なデザイン
そこには、何かしら、特別に、強く引かれるものがあります。
熊本県
井寺古墳
石室囲石


京都では、密教の曼荼羅を
見ました。
でも、曼荼羅よりも、
この直弧紋のほうが、
広がり、結び、消え、
かつ、産まれ、、、
という、終りの無い、
業の深い、
小さな存在が、
何か大きな意思によって
許されている、そこにある、
守られている、

感じます。
奈良
新山古墳出土の銅鏡
直弧紋鏡


回り続けよう
終りは無い
存在よりも、
流れること
それが、本質

プロダクトとしての銅鏡
比類なきデザイン






銅鏡というのは、だいたい、西暦でいうと、200年代の古墳から、出土し始めるそうです。伝説の卑弥呼も、魏から銅鏡を送られたという話が、魏志倭人伝に載っているとのこと。つまり、銅鏡、という製品は、初めは大陸から、輸入したものだったわけです。その後、この大陸から渡ってきた鏡を、模倣して、日本でも作られ始めたと考えられます。
まずは、コピー。ものづくりにいそしむ者なら、すんなり納得できる流れです。技術の習得が、オリジナルデザインの考案よりも先行します。
コピー作成により、技術が向上してくると、独自のものを作りたくなるのが、造り手の心情。
この「直弧紋」以前の出土品は、獣紋や雷紋、唐草などの、大陸からやってきたデザインがほとんどです。完全なコピーのあとに、デザインを加工して、似て非なるものを作る。そして、その後に現れたのが、この「直弧紋」です。直弧紋は、大陸の銅鏡には見られないデザインだということ。完全な日本オリジナル

古墳の石室に書かれた直弧紋は間違いなく、呪術的意味合いの深いものでしょう。けれど、銅鏡に刻み込まれた直弧紋は、造り手のデザインマインドが、より強く、表れている気がします。呪術よりも、かっこいいこと、が優先かもしれない。

月夜散歩も、どこにもない、ここにしかない、オリジナルなジュエリーの製作に励んでいますが、この直弧紋に関しては、日本発のオリジナルデザインに敬意を評し、モチーフに使わせていただくことにいたしました。


月夜散歩〜つきよのさんぽ
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